1/12/2017

AUCの計算方法、STATA

AUC (Area Under the Curve: 曲線下面積)を求める方法です

まあ臨床研究で使うのが、統計モデルを作成して、ROC曲線を描いてそのAUCを使って、その統計モデルが優れているか、そうでないかなどを解析するときに使います。

しかし、今回は血中濃度の時間推移による変化を見るために使おうと思い、調べました。
まあ、薬物Aを投与して、投与時、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、6時間後に採血をしてそのAの血中濃度を測定します。
そして今度は、薬物Bを用いて同様に測定します。

Aは最大濃度が高かったが、短時間で血中から消失した。
Bは最大濃度は低かったが、長時間血中に存在した。
さて、AとBではどちらがおおく体内に存在したのでしょうか?という問いに答える時にAUCを使います。

さて本題です。STATAのコマンドでAUCと探してもありません。
調べたら薬物動態コマンドPharmacokineticで使うようです。
やってみます。

まず、時間、濃度、AとBのなどの分類もデータシートに入力。
そしたら始めます。

Statistics > Epidemiology and related > Other >
Pharmacokinetic measures (細かく解析したければSummarize pharmacokinetic data)

Timeに採血時の経過時間
Concentrationに測定した項目
2種類以上分類(投与薬剤など)があるならby/if/inのTabのRepeat Command by groupsにその分類を選択

まあこれでAUC自体は求められます。
ほんで個々のACUの数値を計算して用いて、いままでのようにT-testなどで有意差を出します。

ニューヨークの夜景

以下は蛇足。

薬物動態に関するコマンドは以下あります。
    The pk commands are
        pkexamine        Calculate pharmacokinetic measures
        pksumm           Summarize pharmacokinetic data
        pkshape          Reshape (pharmacokinetic) Latin-square data
        pkcross          Analyze crossover experiments
        pkequiv          Perform bioequivalence tests
        pkcollapse       Generate pharmacokinetic measurement dataset

まあ上記コマンドはわかる人だけわかるんで、放置しておいてください。

あとは、このプロットを近似する曲線モデルの計算式にして、2群間で統計学的に有意差があるかなど検定できる。

統計解析で薬物効果の有意差を見るには平均値ではなく個々のデータも含まれるデータセットから用いる必要がありますそれをGenerate pharmacokinetic measurement datasetに入力して解析を行います

データセットさえ入力すれば、全部STATAがやってくれるようです。
練習するなら
    Setup
        . webuse pkdata
    List the variables id, concA, and time, and separate by id
        . list id concA time, sepby(id)
    Produce summary statistics for pharmacokinetic measures
        . pksumm id time concA
    Generate pharmacokinetic dataset
        . pkcollapse time concA concB, id(id) keep(seq) stat(auc)
    Reshape data for use with pkcross and pkequiv
        . pkshape id seq auc*, order(ab ba)
    Perform bioequivalence tests
        . pkequiv outcome treat period seq id
    Analyze crossover experiments
        . pkcross outcome
で、できます。
これは2つの薬剤をクロスオーバーして介入したデータセット専用のようです。


そのほかに、Incremental AUC(iAUC)という概念もあるようです。
コレは、スタートした時点をY軸のゼロとして計算します。
しかし、その後に初期値より低下した場合はマイナスになります。
普通のAUCか、iAUCか、どっちが良いかは、投稿した論文の査読者の好み?になる?
マジか?

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