6/29/2026

「エンリシチドデカン」この名前、どうやって覚えればよいのか? (商品名:Lipfendra)

 エンリシチドデカン(Enlicitide decanoate:開発コードMK-0616)は、世界初の経口PCSK9阻害薬。

まずは、感想。

患者負担的には、PCSK9の注射と一緒で、まとめて3か月分処方で、支払い月をまとめれば、OK。

冷中保存がいらないのなら、注射製剤より管理が楽なので、使いやすい。

実臨床では隔日投与などもされるのが容易に想像できる。でも効果ありそう。

早く使えるようになりますように。


以下、データなどから。

第3相臨床試験(CORALreefシリーズ)のエビデンスでは、プラセボと比較してLDLコレステロール(LDL-C)を約56%低下させ、既存の注射型抗体製剤と同等レベルの強力な低下作用が確認。

2025年のAHAで以下報告あり。CORALreef Lipids試験

P(Patient:対象患者)

スタチン療法(中〜高強度)を受けている、またはスタチン不耐性の患者。

かつ、以下のいずれかを満たす:

動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の既往があり、LDL-Cが55mg/dL以上

ASCVDの既往はないが、主要リスク因子が1つ以上あり、LDL-Cが70mg/dL以上

※ただし、3カ月以内のASCVDイベント、直近のPCSK9阻害薬使用、管理不良の糖尿病、中性脂肪400mg/dL以上などの患者は除外。

I(Intervention:介入)既存の脂質低下療法にenlicitide(20mg、1日1回経口投与)を上乗せ

C(Comparison:比較)既存の脂質低下療法にプラセボを上乗せ

O(Outcome:結果・評価項目)

有効性: 24週後のLDL-C変化率は、enlicitide群で-57.1%(プラセボ群は+3.0%)となり、有意な低下を認めた(52週後も効果を維持)。また、LDL-C 70mg/dL未満かつベースラインから50%以上低下を達成した割合はenlicitide群で70.3%(プラセボ群1.5%)だった。

安全性: 有害事象の発生率(enlicitide群64.3% vs プラセボ群62.1%)や重篤な有害事象、投与中止率において両群間に大きな差はなく、高い安全性と忍容性が示された。

既存の注射薬(PCSK9抗体製剤)と同等の強力なLDL-C低下効果を、1日1回の「経口薬(飲み薬)」で安全に達成できることが確認された。


メルカリスタジアム(鹿島スタジアム)


_________以下日経メディカルから

CORALreef Lipidsの対象は、

(1)中~高強度の安定したスタチン療法下ないしはスタチン不耐、

(2)動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の既往がありLDL-Cが55mg/dL以上、もしくはASCVDの既往はないが主要なリスク因子が1つ以上ありLDL-Cが70mg/dL以上

──などを満たす患者とした。ASCVDイベントから3カ月以内、PCSK9阻害薬の直近の投与歴がある、管理されていない糖尿病、中性脂肪400mg/dL以上などに該当する患者は除外した。

 適格とされた患者を、既存の脂質低下療法にenlicitide(20mg、1日1回経口投与)を上乗せする群もしくはプラセボを上乗せする群に、2対1でランダムに割り付けた。主要評価項目は、24週後のLDL-Cのベースラインからの変化率、有害事象の発生率、有害事象による被験薬の中断率とした。

 ランダム割り付けされた2912例中、重複症例(3例)を除いた2909例(enlicitide群1940例、プラセボ群969例)をintention-to-treat(ITT)集団とした。

 対象集団は平均年齢63歳、女性比率39%、LDL-C 96.1mg/dL、58%にASCVDの既往があり、49%が2型糖尿病を合併していた。97%にスタチンが投与されており、その95%は中~高強度だった。人種は白人54%、アジア系26%、黒人9%など、居住地域は欧州/中東/アフリカ26%、北米29%、中南米20%、アジア太平洋25%などであり、どちらも大きな偏りはなかった。

 enlicitide群のLDL-Cは、ベースラインの95.0mg/dLから24週後には38.7mg/dLに低下した(変化率-57.1%)。プラセボ群の変化率は+3.0%(98.3mg/dL→98.6mg/dL)であり、有意な群間差を認めた(最小二乗平均の差:-55.8%ポイント、95%信頼区間:-60.9~-50.7、P<0.001)。52週後も大幅なLDL-Cの低下は維持されていた(enlicitide群-50.4%、プラセボ群+4.0%、最小二乗平均の差:-47.6%ポイント、95%信頼区間:-52.7~-42.5、P<0.001)。

 なお、LDL-Cは超遠心法で測定されたが、enlicitide群の5例でベースラインデータに不備があり、当初の統計処理計画に従うと、当該症例のLDL-C変化率が極端な外れ値になり、全体の結果にも影響が及ぶことが判明した。そこで事後解析として、当該症例のベースラインデータは欠測とし、可能であればMartin-Hopkins法による計算値を使って再解析したところ、24週後のLDL-C変化率は-59.6%(群間差-59.7%ポイント)、52週後は-52.7%(同-52.4%ポイント)と、数値的にはより上積みされた。

 LDL-C 70mg/dL未満かつベースラインから50%以上低下した患者の割合は、enlicitide群は70.3%に及んだ(プラセボ群1.5%)。

 安全性に関して、何らかの有害事象の発生率はenlicitide群64.3%、プラセボ群62.1%(以下、同順)、重篤な有害事象の発生率は9.9%、12.0%、有害事象による被験薬の中止率は3.1%、4.1%だった。

 enlicitideにおけるLDL-Cやアポリポ蛋白B(ApoB)、リポ蛋白(a)[Lp(a)]などの脂質パラメーターの低下率は、PCSK9に対する抗体製剤であるアリロクマブ、エボロクマブとほとんど変わらなかった。これについてNavar氏は、「抗体とポリペプチドという違いはあるが、PCSK9とLDL受容体の結合の阻害という機序は同じであることが反映された」との見解を示した。

 Navar氏は「人種による差はなく、既存の抗体製剤と同程度のLDL-C低下率を経口薬で達成することができた。enlicitideの安全性、忍容性は高く、ASCVDのまん延に対し、脂質管理の理想と現実のギャップを埋める有力なツールとなるだろう」と結論付けた。

4/12/2026

ペマフィブラート、PROMINENT Studyの新たな展開

 PROMINENT Studyの結果は以下となりました。

2型糖尿病、軽度から中等度の高トリグリセリド血症、低HDLおよびLDLコレステロール値の患者において、ペマフィブラートはトリグリセリド、VLDLコレステロール、レムナントコレステロール、ApoCIIIレベルを低下させたが、心血管イベントの発生率はプラセボ投与群に比べ低くなかった。


しかし、見解としては、

「TG到達の平均値が189.㎎/dL」で各種ガイドラインの治療目標に達していなかった。

ことがあげられます。

そして、追加試験、解析が行われました。

Remnant cholesterol, LDL cholesterol, and apoB absolute mass changes explain results of the PROMINENT trial

今回解析に用いた試験は、Copenhagen General Population Study(CGPS)。前向きコホート研究であり、Danish Civil Registration Systemから無作為に抽出した20歳以上の成人を対象とした(被験者登録期間2003~2015年)。

試験のエントリーや治療目標をすべて PROMINENT Studyと同じにして試験を組み、解析したとのことです。結果は…

PROMINENT試験において、ペマフィブラートの投与による変化量はレムナントコレステロールが-7 mg/dL(-0.18 mmol/L、-18%)、LDL-Cが+10 mg/dL(+0.26 mmol/L、+12%)、apoBが+5 mg/dL(+0.05 g/L、+5%)であった。

考察:

レムナントコレステロール、LDL-CおよびapoBの絶対質量変化量によってPROMINENT試験の結果を説明できる。アテローム促進性コレステロール全体が3 mg/dL(0.08 mmol/L)高く、apoBが5 mg/dL(0.05 g/L)高いことで、ペマフィブラート群でASCVDが多い傾向を説明できると思われる。したがって、これらの結果から、ASCVDを抑制するには、TGおよびレムナントコレステロールを低下させる薬剤により、アテローム促進性コレステロール全体(LDL-Cおよびレムナントコレステロール)とアテローム促進性リポ蛋白全体(apoBが指標)を減少させる必要があることが示唆される。

とのこと。

ぺマフィブラートつかって結局ダメだったのは、総悪玉コレステロールが上昇したからでしょう。TG下げても、レムナントを下げなければだめ、ってこと。

そもそも、TG自体が治療目標に達していないのがかなり問題と思う…


雪の武道館



2/02/2026

肺炎球菌ワクチン接種について 2025年12月最新版

   肺炎球菌ワクチンには主に以下3種類

「ニューモバックスNP®(23価ワクチン)」

「バクニュバンス(沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン)」

「プレベナー20®(20価結合型ワクチン)」

「キャップバックス(21価肺炎球菌結合型ワクチン)」

スケジュールは各学会合同で以下のプロトコルが推奨

(2025年9月の段階で改訂されいていた様子・・・2024年12月の記事のアップデートです。)


なお以下は2024年9月のです。


自分が65歳になったら、

① ニューモバックスの定期接種

② 上記接種1年開けて、キャップバックス

③ ①の5年後にニューモバックス


を接種しようかな、と思うが、

今後も新しいワクチンが出たらアップデートします。


PCSK9の内服薬:Enlicitide ついに内服もイケる

 Efficacy and Safety of Oral PCSK9 Inhibitor Enlicitide in Adults With Heterozygous Familial Hypercholesterolemia: A Randomized Clinical Trial

JAMA. 2026 Jan 13;335(2):129-139.

Trial registration: ClinicalTrials.gov Identifier: NCT05952869.

Abstract

Importance: Persons with heterozygous familial hypercholesterolemia (HeFH) are at increased risk of atherosclerotic cardiovascular disease due to lifelong elevated levels of low-density lipoprotein cholesterol (LDL-C). Many patients with HeFH do not achieve guideline-recommended LDL-C goals with the currently available lipid-lowering therapies.

Objective: To evaluate the efficacy of enlicitide decanoate (an oral proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 inhibitor) vs placebo in adults with HeFH requiring further lowering of LDL-C levels despite use of statin therapy.

Design, setting, and participants: This phase 3, randomized clinical trial included persons aged 18 years or older with HeFH currently using lipid-lowering therapy (taking at least a moderate- or high-intensity statin) and either an LDL-C level of 55 mg/dL or greater and a history of major atherosclerotic cardiovascular disease or an LDL-C level of 70 mg/dL or greater without a history of major atherosclerotic cardiovascular disease. The trial was conducted at 59 sites across 17 countries; the first participant was screened on August 8, 2023, and the last follow-up visit occurred on April 7, 2025.

Interventions: Participants were randomized (2:1) to 20 mg of enlicitide (n = 202) or placebo (n = 101) once daily for 52 weeks.

Main outcomes and measures: The primary outcome was the mean percentage change in LDL-C level at week 24. The secondary outcomes included the mean percentage change in LDL-C level at week 52, the mean percentage change at week 24 in levels of non-high-density lipoprotein cholesterol (non-HDL-C) and apolipoprotein B, and the median percentage change at week 24 in lipoprotein(a).

Results: Of the 303 participants (mean age, 52.4 [SD, 13.5] years; 51% were female) randomized, 293 (96.7%) completed the trial. The mean LDL-C level was 119.0 mg/dL (SD, 41.0 mg/dL) at baseline, all had statin current use (81.5% were taking a high-intensity statin), and 64.4% were taking ezetimibe. The mean percentage change in LDL-C level at week 24 was -58.2% in the enlicitide group vs 2.6% in the placebo group (between-group difference, -59.4% [95% CI, -65.6% to -53.2%]; P < .001). The mean percentage change in LDL-C level at week 52 was -55.3% in the enlicitide group vs 8.7% in the placebo group (between-group difference, -61.5% [95% CI, -69.4% to -53.7%]; P < .001). At week 24, the mean percentage change in non-HDL-C level was -52.3% in the enlicitide group vs 2.1% in the placebo group (between-group difference, -53.0% [95% CI, -58.5% to -47.4%]; P < .001), the mean percentage change in apolipoprotein B level was -48.2% vs 1.8%, respectively (between-group difference, -49.1% [95% CI, -54.0% to -44.3%]; P < .001), and the median percentage change in lipoprotein(a) level was -24.7% vs -1.6% (between-group difference, -27.5% [95% CI, -34.3% to -20.6%]; P < .001). The incidence of adverse events, serious adverse events, and study discontinuation due to adverse events was similar between groups.

Conclusions: Among adults with HeFH, treatment with enlicitide was well tolerated and significantly reduced levels of LDL-C, apolipoprotein B, non-HDL-C, and lipoprotein(a).


PICOで評価

フェイズ3、

P(Population:対象集団)

成人(≥18歳)の ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症(HeFH)

中等度〜高強度スタチン治療中 多くが LDL-C未達(エゼチミブ併用あり:約2/3)

✔ 臨床的妥当性は高い → 日常診療で「次の一手」に困る典型的HeFH集団

✔ 既存治療(スタチン±エゼチミブ)を十分反映

⚠ ASCVD既往の有無は混在→ 二次予防集団としての純粋な評価ではない

⚠ 日本人・アジア人は少数(外的妥当性の制限)


I(Intervention:介入)

Enlicitide 20 mg 経口・1日1回 と プラセボ、2:1の割り付け

背景治療(スタチン±エゼチミブ)継続


C(Comparator:比較)

プラセボ 背景治療は同一 ✔ 内的妥当性は高い(RCTとして明確)


O(Outcome:アウトカム)

① 主要アウトカム

24週時点のLDL-C変化率

✔ −58%超の有意なLDL低下 

✔ 効果は52週まで持続

② 副次アウトカム(脂質)

non-HDL-C、ApoB、Lp(a)

✔ すべて有意に低下

✔ ApoB低下が明確 → 動脈硬化リスク低減の代理指標として重要


③ LDL目標達成率(重要な臨床的Outcome)

目標 Enlicitide プラセボ

LDL <70 mg/dL + ≥50%低下 約70% 約1%

LDL <55 mg/dL + ≥50%低下 約67% 約1%

✔ ESC/EAS超高リスク基準を多数で達成

④ 心血管イベント(MACE)

❌ 主要・副次アウトカムに含まれていない

❌ 統計学的検討なし


気になる点:LDL目標達成(24週時点)

LDL-Cが50%以上低下かつLDL < 70 mg/dLを達成した患者:

→ 約70.8%(エンリシチド群) vs 約1%(プラセボ群)

LDL-Cが50%以上低下かつLDL < 55 mg/dLを達成した患者:

→ 約67.3%(エンリシチド群) vs 約1%(プラセボ群)



12/19/2025

2025年 ヴィッセル神戸 観戦歴

 2025年2月11日 ACLE H 上海海港 4-0

2025年2月15日 J1 H 浦和 0-0

2025年2月26日 J1 H 京都 1-1

2025年3月1日 J1 H 福岡 0-1

2025年3月5日 ACLE H 光州 2-0

2025年4月6日 J1 H国立 新潟 0-1

2025年4月16日 J1 H 川崎 2-1

2025年4月20日 J1 H 町田 1-0

2025年5月3日 J1 H 岡山 2-0

2025年5月6日 J1 H C大阪 1-3

2025年5月17日 J1 H G大阪 3-2

2025年6月11日 天皇杯2回戦 H 高知 2-0

2025年6月15日 J1 H 名古屋 2-1

2025年7月2日 J1 H 広島 1-0

(不参戦:2025年7月5日 J1 H 湘南 出張@つくば)

2025年7月27日 H FCバルセロナ 1-3

2025年8月6日 天皇杯4回戦 H 東洋大学 2-1

2025年8月16日 J1 H 横浜FC 0-1

2025年8月23日 J1 A C大阪 1-1

2025年8月30日 J1 H 横浜FM 1-0

2025年9月7日 ルヴァン H 横浜FC 1-0 

2025年9月12日 J1 H 柏 0-0

2025年9月23日 J1 H 東京V 4-0

2025年10月17日 J1 H 鹿島 0-0

2025年10月4日 J1 A 浦和 0-1

2025年11月5日 ACLEL H 蔚山 1-0

2025年11月9日 J1 A G大阪 1-1

2025年11月16日 天皇杯準決勝 パナスタ 広島 2-0

2025年11月22日 天皇杯決勝 国立 町田 1-3

2025年11月30日 J1 H FC東京 0-0

2025年12月6日 J1 A 京都 0-2

2025年12月9日 ACLEL H 成都 2-2



6/10/2025

ついに抗凝固療法も分子標的治療へ; Abelacimab versus Rivaroxaban in Patients with Atrial Fibrillation.

 抗がん剤、自己免疫性疾患、アレルギー疾患、脂質異常症、などなど

分子標的薬が続々と、臨床応用が始まっております。

ついに、抗凝固療法にも分子標的:完全ヒトモノクローナル抗体(不活性型の第 XI 因子に結合し,その活性化を阻害)が出ました。

Abelacimab versus Rivaroxaban in Patients with Atrial Fibrillation

N Engl J Med. 2025 Jan 23;392(4):361-371.

AZALEA-TIMI 71 ClinicalTrials

月一回の注射でOK。すごいなぁ。今後もどんどん便利な薬が出るでしょうね。

「どんなに技術が進んでもこれだけは変わらねえ。 機械を作るヤツ、整備するヤツ、使うヤツ、人間の側が間違いを起こさなけりゃ機械も決して悪さはしねえもんだ」

(じつはわたくしも抗凝固新薬の治験のメンバーで登録していたことがあります。)

以下NEJMの日本語サイトからの引用です。


背景

アベラシマブ(abelacimab)は,不活性型の第 XI 因子に結合し,その活性化を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体である.心房細動患者における,直接経口抗凝固薬と比較したアベラシマブの安全性は明らかにされていない.


方 法

心房細動を有し,脳卒中リスクが中~高の患者を,盲検下でアベラシマブ(150 mg 月 1 回または 90 mg 月 1 回)を皮下投与する群と,非盲検下でリバーロキサバン(20 mg 1 日 1 回)を経口投与する群に,1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,大出血または臨床的に重要な非大出血の複合とした.


結 果

1,287 例が無作為化され,年齢中央値は 74 歳で,44%が女性であった.3 ヵ月の時点で,遊離型第 XI 因子濃度の低下率の中央値は,アベラシマブ 150 mg で 99%(四分位範囲 98~99),90 mg で 97%(四分位範囲 51~99)であった.アベラシマブによる出血イベントの減少が予測を上回ったため,独立データ安全性モニタリング委員会の勧告に基づき,試験は早期に中止された.大出血または臨床的に重要な非大出血の発生率は,アベラシマブ 150 mg で 3.2 件/100 人年,90 mg で 2.6 件/100 人年であったのに対し,リバーロキサバンでは 8.4 件/100 人年であった(リバーロキサバンに対するアベラシマブ 150 mg のハザード比 0.38 [95%信頼区間 {CI} 0.24~0.60],リバーロキサバンに対するアベラシマブ 90 mg のハザード比 0.31 [95% CI 0.19~0.51],両比較について P<0.001).有害事象の発現率と重症度は,3 群で同程度と思われた.


結 論

脳卒中リスクが中~高の心房細動患者のうち,アベラシマブを投与した患者では遊離型第 XI 因子濃度が著しく低下し,リバーロキサバンを投与した患者よりも出血イベントが少なくなった.(アンソス セラピューティクス社から研究助成を受けた.AZALEA–TIMI 71 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04755283)


追加情報

現在、利用可能な抗凝固療法を使用できない高リスク心房細動患者を対象に、脳梗塞および全身性塞栓症の予防におけるabelacimabの有効性をプラセボと比較する第III相試験(LILAC-TIMI 76試験)が進行中



4/07/2025

EPA製剤の大規模試験 : RESPECT-EPA試験がでました

2007年 JELIS試験:スタチンにEPA-1800mg 心血管イベントの有意な抑制を

2018年 REDUCE-IT試験 EPA-4000mg JELISを支持するもの

2020年 STRENGTH試験 ω3-4000mg 効果なし否定的な結果

2024年 RESPECT-EPA試験 EPA-1800mg REDUCE-IT試験を日本人で指示できる

____________________________________

 RESPECT-EPA: Circulation. 2024 Aug 6;150(6):425-434.

「スタチン治療を受けている慢性冠動脈疾患でEPA/AA比の低い患者において、イコサペント酸エチルが将来のイベントを軽減するという臨床的意義を有する可能性が示唆される」


🔷 RESPECT-EPA試験とは?

✅ 正式名称:

Randomized Trial for Evaluating the Secondary Prevention Efficacy of Icosapent Ethyl on Japanese Patients with Established Cardiovascular Disease (RESPECT-EPA)


🔹試験の目的:心血管疾患(二次予防)の既往がある患者において、EPA製剤の心血管イベント抑制効果を検証する。

🔹試験デザイン:対象者:心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性心血管疾患の既往があり、スタチン治療中の患者。

ランダム化・オープンラベル試験(event-driven design)

被験者数:2,506名(日本全国の複数施設)

追跡期間:中央値で約5年

比較:

EPA群:イコサペント酸エチル(1800 mg/日、分2)

対照群:標準治療のみ(EPAなし)

🔹主要評価項目(Primary Endpoint):心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、冠動脈血行再建、入院を要する不安定狭心症の複合エンドポイント。

🔹結果(2022年発表):EPA群は対照群に比べて主要心血管イベントの発生率を26%低下(HR 0.74、p=0.055)※有意差までは届かず

サブグループ解析では、LDLコレステロールが高めの群や中性脂肪が高めの群で効果がより顕著。

🔹考察・意義:**REDUCE-IT試験(米国)**で得られたEPAの有効性に対する、日本人を対象とした追試的意味合い。**EPAの用量がREDUCE-ITと同等(1800 mg)**で、スタチンとの併用効果を検証。最終的に統計的有意性には達しなかったものの、有望な傾向が見られ、安全性も良好であった。

🔹まとめ(ポイント)

項目 内容

対象 心血管疾患既往の日本人

治療 EPA 1800 mg/日 vs 標準治療

主な結果 イベント26%減(有意差に届かず)

特徴 スタチン治療中の患者が対象

意義 日本人におけるEPAの心血管予防効果を評価