12/09/2016

silver lining 英語

silver lining

直訳すると「銀の裏地」ですね。

なんじゃそりゃ。

昔読んだ小説に「すべての雲は銀の…」というのがありましたが、それを思い出しました。


英語圏では、教訓とか諺的に
Every cloud has a silver lining.
というのがあり、意味は
「すべての雲は銀の裏地をもつ。」
ではなくて「すべて不幸だとしても、希望の光はかならずあるよ。」
「逆境でも希望を持て」
といった意味で使うようです。

まあ、「投稿した論文がことごとく糞味噌に評価されても、かならず希望の光があるから諦めずに挑戦しようぜ。」ってときに使えばバッチリですね。

このようなイデオムが、元になって色々な状況で、「silver lining」が使われるようです。

とある医療記事で、大規模スタディが予想外にネガティブデータばかりでも
コメントに

The study has "an important silver lining," …

と、前向きな発現をされるのが、アメリカです。

僕も
The study has "an important silver lining,"
って、使ってみたいなぁ。
でも、逆境に陥らないようにするのが一番だなぁ。

明石、松ヶ崎の海岸です。

アメフト選手の心臓は… US Football Linemen May Be at Risk of Cardiac Hypertrophy



僕は大学生の時、アメリカンフットボールの選手をしておりました。
ポジションはラインマン。

この職業になってから、考えたことがあります。
アメフトは健康のためのスポーツではない。ということです。

なんか心臓に悪そう、なんか脳に悪そう、などイメージがあります。

確かに頚椎症や脳震盪などのリスクは高いことが証明されていますが、心臓については自分で調べたことはありませんでした。

そんで、こんな記事を見つけました。
US Football Linemen May Be at Risk of Cardiac Hypertrophy
December 06, 2016
http://www.imaging.onlinejacc.org/content/9/12/1367


Linemen also had an overall increase in incident left ventricular hypertrophy (8% pre-season versus 25% post-season; p<0.05)

Nine of 11 (82%) linemen who developed left ventricular hypertrophy had concentric geometry with decreased global longitudinal strain (a possible indicator of reduced function). By contrast, eight of 10 (80%) nonlinemen had eccentric left ventricular hypertrophy with increased global longitudinal strain.




結論から書きますと、

「アメフトのラインマンは、ほかのポジションと比べて、肥大型心筋症の因子が増大する。」
肥大型心筋症の因子、ってのが心エコー図で調べるストレインの方法によるもの。
編集者のコメントもあり、色々考えさせられます。

ただ、思うのは、マラソン選手のスポーツ心臓だって通常時は異常なわけで、一つの指標が悪化するからといってそれはそのスポーツに対して必要な反応や変化であるとも考えられます。
だから、アメフトなんか悪のスポーツだ、というのは間違いだと思います。

ただ、アメフトを積極的に推奨する理由にはならないです。はい。

12/08/2016

ApoA-I milano

これもAHA2016での報告においてです。

ズイブン昔からApoA-I milanoという、ApoA-Iの遺伝子異常あれば、心筋梗塞が少ないで、って報告があり。ほんで、このApoA-I milano(AIM)を注射して治療したらイベント減った。
ことがありました。
JAMA. 2003 Nov 5;290(17):2292-300.

ほんで、このApoA-I milanoに似た分子を作って(AIMはめちゃ高価)、治療に使いましょう。
って試験が色々ありました。
レビューはこちらにありますPharmacol Ther. 2016 Jan;157:28-42.

その試験で今回報告あったのが、
MILANO-PILOT study
ApoA-1 Event Reducing in Ischemic Syndromes-1 (AEGIS-1),
(アイギスって、響きがカッコええね。イージスよりアイギスのほうが個人的に好きです。)
などの試験です。
開発試薬番号が
MILANO-PILOT study が MDCO-216
AEGIS-1 が CSL112

これ以外のAIMの試験はCSL111やETC-216やCER-01ってのとか、もっとほかにも色々あったはず…

MILANO-PILOT studyは有効性がみられず中止です
今は有効性が見出せなくても大規模で長期にしたら有効性が確立されるのでは?
とおもいましたが、どうやら開発会社が、PCSK9のORION-1試験でめちゃ調子いいみたいで、お金はそっちに回す、って事みたい。

ではAEGIS-1は?
the reconstituted human apoA-1 CSL112 (CSL Behring)
を、低容量と高容量、週一回注射した試験。期間は1年未満?
第2相試験(the phase 2b )です。
結果は、有害事象もなし。基本イベントもプラセボと変わらず。
ということで、第3相試験に行きましょう!

ということです。
残念なのが、MILANO-PILOT studyはコレステロール引き抜き能などは良くなっているにもかかわらずイベントは低減されなかったってことです。

もう、HDLあかんかも…

いやいや弱気になったらあかんで。
地道な実直な努力がノーベル賞になるんや!

ザイオン公園隣のスプリングデールから




LDL-C低下はどこまで下げんの?

僕は思うんです。
「色々な薬剤による介入試験があるけれど、日常生活で通常閾値以外は、やはりあかんやろう。」と。

スタチンだって、コレステロールを下げる薬。コレステロール自体はホルモンや細胞壁を作る材料。

なくなったら困るやろう。

CTTも、IMPROVE-ITも「LDL-Cを下げたらええで。」やけど、ODYSSEY-JAPANで、LDL-Cがもともと140mg/dLだったのが25mg/dL未満になるのを見ると、「ええんか?」と思います。

ということで最近流行のPCSK9阻害薬、AHAで報告されたのが以下。

Effect of Evolocumab on Progression of Coronary Disease in Statin-Treated Patients
The GLAGOV Randomized Clinical Trial
JAMA. Published online November 15, 2016. doi:10.1001/jama.2016.16951

簡単に言うと、
LDL-Cが93mg/dLだったのが36mg/dLになると冠動脈のプラーク容積が1%減る
というもの。18ヶ月みて、イベント低下は確認できず。
でも、すげーのが、「LDL-Cが20mg/dL未満になってもプラークは減り続けた。」ってコメント。


飢餓状態になりゃ、プラークも減るか…
でも、ACSイベントはTCFAが関係しているんやったら、TCFAの有無とか、それが関係したLipid Indexなんかを見たほうがええんちゃう?
この試験はIVUSやから無理やけど。
まあ、誰かがやるから、今後明らかになるでしょう。

それよりも、以前読んだのが、LDL-Cは70mg/dL以下はイベントにあんま関係ないで、ってやつ。
Association Between Achieved Low-Density Lipoprotein Levels and Major Adverse Cardiac Events in Patients With Stable Ischemic Heart Disease Taking Statin Treatment
JAMA Intern Med. 2016;176(8):1105-1113.
(僕的にはこの解析ちょっと変やとおもうけど)

LDL-Cが低すぎるのはどうなん
死ぬの?死なないの?
マウスはCETPがないから、LDL-Cがほとんどないけどね。

追加で、NEJMより

Variation in PCSK9 and HMGCR and Risk of Cardiovascular Disease and Diabetes
N Engl J Med 2016; 375:2144-2153

僕の意見として、「べつにLDL-C下げるのに、PCSK9でもスタチンでも、どっちでも、ええやん。ほなまあ、スタチンにエゼチミブ追加しときましょか。あと余裕があればω-3も飲んどきや。」

結論
とりあえず、LDL-Cは今の動脈硬化学会のガイドラインに従うのがいいでしょう。

しかし、LDL-Cだけに注目せずに、残余リスク、これに注目したすっげーインパクトのある論文って、ないんやろか?
ザイオン国立公園



12/06/2016

守・破・離 英語は?

 「守破離」 

研修医2年目、整形外科をローテしている時に、部長に勧められて参加した学会のネームタグにバックプリントとしてデザインされてあったので、初めて知りました。

日本の武道や茶道などで用いられるようです。
僕が海外留学する前に、素晴らしい上司より、お言葉としていただいた言葉の一つでもあります。

日本だけの考え方かな?と思いましたが、どうでしょう。
アメリカにはこういった格言はあるのでしょうか?
僕は目にしたことありません。
僕が思い浮かべる米国の格言っぽいのは、スティーブ・ジョブズの「connecting dots」でしょうか。

日本の歴史はすごいなぁ、と改めて思います。

じゃあ、英語でなんて言うんだろ?
と思って、wikiで調べました。以下引用です。
____________________________________

shu (守) "protect", "obey" — traditional wisdom — learning fundamentals, techniques, heuristics, proverbs

ha (破) "detach", "digress" — breaking with tradition — detachment from the illusions of self

ri (離) "leave", "separate" — transcendence — there are no techniques or proverbs, all moves are natural, becoming one with spirit alone without clinging to forms; transcending the physical
____________________________________
引用終わり。

自分は、「守」すらできていない…
やはり一流になるのは一筋縄ではありません。
自分の能力をあらためて再認識することとなりました。

なんか、もうね、いろいろ落ち込みます。

ロウワー・アンテロープ・キャニオン

12/05/2016

12月8日について

アメリカのカレンダーには、アメリカの記念日や祝日などの記載があります。

日本にも馴染みのあるものとしては
「ハロウィーン」 
「クリスマス」 
「バレンタイン」 
「エイプリルフール」 
「父の日」 
「母の日」

日本にあまり馴染みの無いものは
「独立記念日」 
「メモリアル・デイ」 
「ヴェテランズ・デイ」 
「サンクスキビング・デイ」 
「マーチン・ルーサー・キング・ジュニア・デイ」
日常生活で忘れてはいけないのが「夏時間開始の日」「夏時間終了の日」です。

で、ほかにも色々カレンダーに記載があります。
今年の11月8日は「Election Day」、つまり次期トランプ大統領が決まった選挙の日。
あとは、誰もが忘れない、9月11日。今でもテロ発生の危険がある日として、領事館から注意があります。

そして、本題の12月8日には、
Perl Harbor Remembrance Day
と記載があります。さすがに休日ではありませんが、僕はかなりのインパクトを受けました。

アメリカではカレンダーに記載されている、そういった認識なのです。

正直、日本の義務教育では一方方向からの知識しか得られません。間違いではありませんが大局的に学ぶ必要がある、と僕は思います。
もちろんアメリカの教科書では、パールハーバーが大きなインパクトを持っています。が、原爆投下は教科書に記載はありません。

そんなことも今まで知らなかった自分が恥ずかしいです。
「日本はどうなの?」と聞かれて、答えを持ってなかった、知らなかった自分が恥ずかしいです。

話は変わりますが、5月下旬にはオバマ大統領が広島訪問されました。
そして12月末には安部首相がパールハーバーを訪問し、オバマ大統領と会談するようです。

いろいろな物議がでると思いますが、アメリカ側からの新聞やマスコミの反応をしっかり見てゆきたいと思います。

カリフォルニア州議会議事堂

12/01/2016

LDL-Cの計算方法

日本では、LDL-C測定方法が直接法(酵素などで直接LDL-Cを同定する)をとられていましたが、「実は誤差がすごくあるから、直接法は止めてください。」ということになりました。
Atherosclerosis. 2012 Nov;225(1):208-15.
A multicenter study on the precision and accuracy of homogeneous assays for LDL-cholesterol: comparison with a beta-quantification method using fresh serum obtained from non-diseased and diseased subjects.
ほんなら、どうやってLDL-Cを測定するの?
ということでF式とよばれる、Friedewaldさんが発明した方法。
LDL-C=(T-cho)-(HDL-C)-(TG/5)
という計算式です。

しかし、このTG/5が曲者、TGが400以上ではまったくもって使えない。
さらに、VLDL-Cが多い場合も実は使えない。
ということが分かっております。
J Am Coll Cardiol. 2013 Aug 20;62(8):732-9.
Friedewald-estimated versus directly measured low-density lipoprotein cholesterol and treatment implications.

ということで、もうLDL-C無理なら、non-HDL-Cでやってください。となったんです。

でも、やっぱり悪者はLDL-C…

もっといい計算式はないものか、と世間?は頑張ります。

他の方法としてMartin法なるものがあるらしいです。(MartinさんはF式がダメって報告した人)
J Atheroscler Thromb. 2016 Dec 1;23(12):1355-1364.
Validity of a Novel Method for Estimation of Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels in Diabetic Patients.で報告されてました。(JATですけど…)
しかしコレもめんどくさい。(電子カルテだから自動計算してもいいかも、eGFRみたいに)

やっぱりLDL-C無理なら、non-HDL-Cで考えましょう、ってことは変わらないやろうね。
でもHDL-Cが高すぎたらやっぱりおかしくなるし…

ということで、「家族性コレステロールを疑う症例は個々に精査して、それに対する治療を行う。」でいいでしょう。
スタチン使う前に、しっかり診断。
これが大切。

でも、LDL-Cって、なんなの?
といわれたら、やっぱり原点に戻ります。

「HDLの次に比重が軽い(1.019–1.063)、HDLの次に小さいリポ蛋白(19–22 nm)に含まれるコレステロールの量。」です。

コレステロールが悪さをするのではありません。
LDL粒子が悪さをするのです。

結論
LDL-Cはただのマーカー
ガンなどと同じで、極端な異常を見たら専門的診断が必要。