11/28/2016

「高脂血症のWHO分類、なんでこんな分類になったんやろ。」 脂質異常症勉強 その②

「高脂血症のWHO分類、なんでこんな分類になったんやろ。」 

脂質異常症勉強 その② です。

まず元となる論文を探します正確には「Frederickson Classification of Lipid Disorders」という分類らしい
元となる論文を見つけました。多分コレです。
Circulation. 1972;45:501-508」です。出版されたとき、僕はまだ生まれておりません。
早速引用させていただきます。

と、その前に、大切なこと。

脂質には大きく4つのコレステロールファミリーがあり、
  1.  カイロミクロン(CM)
  2.  プレβ (つまりVLDL)
  3.  β (つまりLDL)
  4.  α (つまりHDL)
に分けられる。
高脂血症の型は、これらの(コレステロール)がどれぐらい含まれるかで決まるようです。
昔は、粒子あたり重たいものや軽い物に分類して、名前を付けたようです。
一番重い(高密度)のがα、軽いのがCMです。んで真ん中がβで、そのβより軽いのがプレβ。
高密度・重たい ⇔ 低密度・軽い
α - β - プレβ - CM 

では、分類の法則ですが、以下です。

Type I-     Hyperchylomicronemia
Type II-    Hyper-β-lipoproteinemia
Type III-   "Floating β" or "Broad β" Pattern
Type IV-   Hyperpre-β-lipoproteinemia
Type V-    Hyperpre-β-lipoproteinemia and Chylomicronemia

簡単に言いますと、CM→β→プレβが含まれる順にI~IVにすすんで、CMとβが混じったのをVとした、のではないかと推察されます。

I:  CMのみ沢山
II  β(LDL)が沢山
III ブロードβ(※IDL)が沢山
IV プレβ(VLDL)が沢山
V:  CMと、VLDLが沢山

※、ブロードβ、βもプレβも含めるやつ。言うなればIDLと言ったところでしょうね。

覚えるのは、CM、LDL、IDL、VLDLの流れですね。
んで、IIのaとbは、
IIa β(LDL)のみ増加
IIb β(LDL)に加えてついでにプレβ(VLDL)も増加

わかった!
IIbとVが確実に後付で、ややこしくしてるんや。

まず、I~IVまで分類されて、追加でIIbとVが付け加えられた、と考えれば、筋が通る。

昔は、LDLとかHDLという概念がなかったんでしょうね。
いろいろなリポタンパク分離方法が開発されて、名前が付けられたのでしょう。

HDLもHDL2とHDL3があるから、2から3に代謝するかと思いきや、逆やし。2の方がデカいし。

しかし、よく見てみたらCholesterolもTriglyceridesも全く出てきませんでした。
Lipoprotein(リポタンパク)という粒子の概念で構築されたのですね。

だから、どのコレステロール分画が増加した、とかややこしくなってるんでしょう。

ということで、また。

次回は「脂質低下療法のターゲットとなる分子について」です。





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