1/11/2017

Inter-Assayと Intra-Assay

複数のバイオマーカーが糖尿病のCVDイベントを予測する。
Targeted Multiple Biomarker Approach in Predicting Cardiovascular Events in Patients With Diabetes
Heart. 2016;102(24):1963-1968.

を読みました。そのバイオマーカーは
GDF-15; growth differentiation factor 15
NT-proBNP; N-terminal pro B-type natriuretic peptide
hs-TnT; high-sensitive troponin T
の3つ。

この3つのバイオマーカーを組み合わせると、糖尿病の症例のCVD発症が予測できる。
といった、まあよくありげな論文です。
GDF-15が聞き慣れませんが、「GDF-15 is a pleiotropic cytokine that is considered to be a marker of inflammation and atherosclerosis.」
ということらしいです。サイトカインの一種ですね。




ココからがポイント。
んで、測定したのがラボの機器であったり、市販のアッセイキットであったりするわけです。
「市販のキットを使って自分で計ったんや。」
だけでは、ちょいと不十分なんです。
「お前、きちんと測定したんか?だいじょうぶか?」
と誰もが突っ込みたくなります。
そこで、
「もちろん、大丈夫や、こんなデータやから信頼できるやろ?」
といったデータでInter-Assayと Intra-Assayを使うのです。
測定した、日の天気や季節、はたまた測定した人間、その人間の体調によって誤差が大きくて検査として信頼できなくては困ります。
そこでその誤差が小さいことを示すために「Inter-Assayと Intra-Assay」の出番です。

Inter-Assayとは
均一な検体を、条件を同じにして短時間で複数測定したときの、その誤差。

Intra-Assayとは
均一な検体を、日時、測定した人間、器具などの条件を一部変更して複数測定したときの、その誤差。
です。

まあ、なぜ僕がこれが大切だ!と思ったかというと、僕が市販のキットで測定した結果が微妙だったんで、ボスに
「お前、Intra-Assayを出せ。」と言われたのです。
いやー信頼されないって怖いですね。

以下、こんな風に記載します。

NT-proBNP was measured using the Cobas H232 system, with intra-essay and inter-essay coefficient of variations (CVs) of <15% at 60–1200 pg/mL and <20% at 1200–9000 pg/mL.

hs-TnT was measured with the Elecsys Assay by Roche Diagnostics (Rotkreuz, Switzerland). As described by the manufacturer in the assay kit (Roche Diagnostics), the inter-assay CV was 8% at 10 ng/L and 2.5% at 100 ng/L. The intra-assay CV was 5% at 10 ng/L and 1% at 100 ng/L.

GDF-15 was measured using a sandwich ELISA kit (Roche Diagnostics) with intra-assay and inter-assay CVs of 4.9% at 445 ng/L, 3.8% at 1664 ng/L and 3.3% at 4880 ng/L. All biomarkers were analysed in the same laboratory. GDF-15 and hs-TnT were measured collectively with the same kit, whereas NT-proBNP was measured by the POC System at index time.

この論文では、
NRInet reclassification improvementといった統計も用いており
似たような概念で、IDI(integrated discrimination improvement)も大切です。

またNRIとIDI、流行といえば一昔前ですが、押さえておくべき統計ですので機会があればまた記載します。

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