が、1年半アメリカに住んでみて得た実感です。
アメリカで販売している乳製品は「低脂肪」がウリになってます。
ホイップクリームは、なんと!無脂肪まであります。どんなんやねん!
ケーキもホイップクリームかと思いきや、ホワイトチョコをモコモコにしております。
ミルクも牛乳よりも豆乳、米乳、アーモンド乳などあります。
日本は、缶コーヒーを見ても、ゼロなどが目に付きます。
僕は「ZERO MAX」と冠する缶コーヒーの美味しさにびっくりした覚えがあります。
でも、表示しなくていい成分(100g中3g以下なら表示しなくていい)が何かめちゃ気になりますけど。
で、今回の本題は脂肪です。低脂肪で本当にいいのか?
脂肪といえば基本的に中性脂肪(TG)を指します。
TGとは1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸が結合したものです。
んで脂肪酸には、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、多価不飽和脂肪酸などがあります。
脂肪酸に注目です。
とある論文の報告から
BMJ. 2016 Nov 23;355
Intake of individual saturated fatty acids and risk of coronary heart disease in US men and women: two prospective longitudinal cohort studies.
一日の中で摂取する飽和脂肪酸のうち約2g(一日摂取エネルギーの1%)を多価不飽和脂肪酸に変えるとリスクが減るかもしれない。
あくまで「かもしれない」程度です。アンケート形式から推定される摂取量からの解析です。
炭素数C12-14の脂肪酸は効果ないみたい。C18もダメ(αリノレン酸)、C16(一般的な名前なし)なら改善するぜ。C20やC22の記載なし。
なんやパルミチン酸の多価か…EPAちゃうやん(EPAはC20)。
まあ具体的に言いますと、毎日マカロン一個食べているのであればやめりゃいいってこと。
やけど、やっぱりおやつは食べたいなぁ。って時に、ある会社からは「飽和脂肪酸を抑えて、多価不飽和脂肪酸を沢山含むマカロン」が新販売されて、それに変えれば心筋梗塞が抑制される、ってこと。
これ、結構デカイです。
ケーキ屋さんが、生クリームの組成をちょこっと変えるだけで、心筋梗塞が抑制される、ってことですから。
もっと極論言えば、成分無調整の牛乳コップ一杯200gは飽和脂肪酸を4g弱含むから、低脂肪牛乳にかえたらそれやめたらええやん。ってことやけどなぁ。
でも成分調整された牛乳は糖が追加されたりしてるからなぁ。
アメリカではω3を添加した牛乳があるのはこういったことが根拠なんやろうね。
あと、脂肪=油となるけど、料理に使う食用油はいろんなのがあって、いろんな種類の脂肪酸が含まれていて、これがイイ!ってのは、難しい。
「エゴマ油やアマニ油がイイ!」ってのは報告されていたなぁ(要出典)。
ほかにも以下の論文を読んでみたのですが…オランダの研究。
Am J Clin Nutr. 2016 Feb
The association between dietary saturated fatty acids and ischemic heart disease depends on the type and source of fatty acid in the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition-Netherlands cohort.これは、飽和脂肪酸増加はIHD(心臓虚血疾患イベント)に関係していない。
もしかしたら、脂肪酸の種類、食べ物の種類がIHDに影響しているかもしれない。
トランス脂肪酸とかがよくないんでないの?的な意見もあり。
ってこと。
僕の結論
「いろんな種類の食べ物をバランスよく食べよう!(昔ながらの日本食を積極的に食べよう!)」
「飽和脂肪酸だけにまどわされるな!」
です。
以前の記事
脂肪・糖 アメリカと日本の違い
も、ご参考に。
追記;エピソードを一つ。
日本に旅行をした研究室メンバーの感想で、「日本で食べたケーキ(りく○ーおじさん)は美味しいけど、Fat含有が多くて、濃くて食べ切れなかった。」とのこと。
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